事前にJALのホームページで通路側座席を指定したが、成田空港で確認しても何故か席がなかった。そして何故か矢印のマーク。上向きの。それはビジネスクラスへアップグレードを意味していた。
Washington D.C. 森の中での挙式
こんなに嬉しいことはないはずだった。いつもなら、大喜びであった。しかし、エコノミーに乗る権利しかない自分がたまたまアップグレードされていたので、特別な待遇を受けることに気後れしていた。
隣の座席は、非破壊検査の専門家だった。70歳ぐらいだろうか。米国では著名な方のようで、ビジネスクラスは当然に見えた。にもかかわらず、映画で面白いところは話しかけられる。
面白い人だと思い、JAL機内のヘッドセットを教えた。ノイズキャンセリングはスイッチを入れないと機能しない。オンオフして楽しんでいる様子。
そうするとまた起こされて、バッファローが走っているとはしゃぐ。暫く分からなかったが、ノイズキャンセリングの結果、残った音は話し声に近い帯域のノイズ。それはバッファローが走る音に似ているのであった。
70歳にして子供の心を持つ紳士。小さいことに喜びを見出す。研究者に必要な素養だ。