2007年06月03日

発明は聞くことから。技術開発は繋ぐこと

全く新しい概念から発明されることは少ない。以前にも書いたが、既存の概念の積み重ねで新たな発明がもたらされる。

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自分の知識は少ない。だから聞くことが重要だ。聞いて体系化すること。不思議だと思うこと。調べること。

次に聞くときには、以前の何かと結びつけられることもある。その時に適切に整理された棚に手が届くように。

技術を開発すると言うことは、この知の輪が連鎖することが重要だ。自由に発想できる空間とその発想が信頼して受けとめられるネットワーク。技術開発をマネージメントすることは、この自由空間と有機的なネットワークを作り上げることだと感じている。


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2007年05月27日

人事考課と数値評価

研究者の評価は論文の数、特許の数、プロジェクトでの資金導入の数と数値で具体的に評価されるようになった。誰もが理解しやすい客観的な評価だ。しかし、これに異論を唱える人も多い。

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ある大学教授はこう唱える。吉田松陰は論文の数で評価されたか?松尾芭蕉は俳句の数で評価されたか?

大学教授は自らの後任(最も優秀な学生)を数年越し、もしくは数十年越しで探す。その優秀な学生は教鞭に就くと、同期の中で最も薄給になる。しかしながら、大学で教鞭を執ると言うことは、給与ではなく、最先端の研究を行い社会に還元すること、後進を育成することに生き甲斐を感じると聞く。

実際に、有名な教授が論文の数が少なかったり、学位を持っていない場合すらある。独自の評価基準があるからであろう。

数値評価は分かり易いが、評価する側とされる側には本来必要とされる能力を疎かにしてはならない。最近は論文の数を気にしていた自分を自戒した。
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2006年12月10日

口論になる前の秘策

上司であろうが部下であろうが、人は感情的になる。若ければそのまま感情をぶつけるのもよい。プロジェクトを任されていると、このようなトラブルを一つ一つ解決していかなければならない。

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解決のためには、以下を実行しよう。

1.落ち着かせる。
 謝ることも必要だ。たとえ間違っていなくとも。謝るといっても、正しいことを間違っていたという必要はない。時期が悪かった、方法が悪かったなど表現は様々だ。またねぎらいの言葉も効果的だ。まずは相手を受け入れることだ。

2.問題が何かを認識させる。
 落ち着いて相手に考える余裕ができたら、次は困っていることを伝えること。問題が発生していて解決されていないことを明確にする。どのような問題か、相手の思考速度に合わせて、一つずつ相手に植え込む。
 このときに、目を見て話すこと、相手の思考速度は前述のように、のどもとで確認する。

3.解決方法を相手から提案する。
 往々にして既に解決案が思い浮かんでいるはずだ。しかし、頑固な人ほど、人の意見を受け入れない。ネガティブ思考の人は、人の意見から失敗するイメージばかり浮かぶもの。解決策を与えてはいけない。時間がかかっても、相手に考えさせること。
 時に意に沿わない案が提案されることであろう。どんな意見でも先ずは受け入れること。そしてそれが実行できるかどうかを一緒に考えればよい。結論を焦らず、相手の思考速度にあわせること。どうしても受け入れられない提案であれば、相手も欠点を見いだせるはずである。相手を信じて、一緒に考えることが肝要である。

 この方法を試すには、手柄を相手にあげる懐の広さが必要である。成功したら、皆の前で褒め讃えましょう。
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2006年11月26日

談合の問題と対策

日々、談合のニュースが流れる。業者との癒着、なぜ無くならないのか?特に発注側も参画している談合には問題がある。裏金作りのため?天下り先を確保するため?何故無くならない?

談合により競争入札制度は意味をなさなくなる。何故競争入札ができないのかを考える必要がある。

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問題は仕様書が正確に詳細に書けないためにある。できないことではないが、難しい。

具体的に書く。すなわち、それぞれ使用する材料を商品名まで指定すると、仕様書が膨大になるばかりか、競争入札できる業者を選別することになる。

詳細に書く。商品名の代わりに性能を書く。それを思いつき、数値化できれば、苦労はしないのである。小さな部材に至るまで仕様を決めることは根拠が必要である。実は発注側も受注側でさえも、発注前に交渉無く決めることは殆ど不可能であろう。

「できない」ことを認めることは苦しい。恥ずかしくもある。しかしながら、公共工事は透明性が重要である。

そこで、予め対象業者で設計コンペか、10人程度の仕様検討会議を行ってみてはどうか。わからないものは、わからないのである。まずは仕様を決める。そのために支出しても構わないのではないか?その後に競争入札を行う。この場合には、仕様が過剰にならないように、発注側も真剣に議論すべきである。
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2006年08月27日

技術移転と床屋のタオル

技術移転がうまくいかなかった経験を持つ社長にお会いした。既に疑心暗鬼だ。これまでの技術移転を、床屋のタオルに例えた話をしてくれた。

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床屋で髭を剃る前に。
お客:「熱い!どうしてタオルを落としたのだ!」
床屋:「だって、俺も熱くて持っていられなかったんだ。」

「自分でも実現できない物が、技術移転できない。」というたとえなのであろう。
「大変でしたね。」と言いつつ、苦笑いで誤魔化す私。
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2006年07月17日

中国とインド

トーマス・フリードマン著「フラット化する世界」では、中国とインドの人に対して、認識を変える必要があると継承している。

これまでの家庭での会話「トム、ご飯をちゃんと食べなさい。中国とインドの人たちは食べるものがないのだよ。」

これからの会話「宿題を済ませなさい。中国とインドの人たちが、おまえたちの仕事を食べようとしているぞ。」

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これは冗談ではない。実際、アメリカの公認会計士は、データ処理と書類作成をインド、バンガロールの企業に外注している。

以前に華僑と石油の利権でも述べたが、中国は極東ロシアのパイプラインの開発に積極的だ。日本の交渉前から大規模な投資を行っている。地下資源の争奪戦では、既に静かな戦争状態にあるのかもしれない。
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2006年07月15日

インターネットの便と交通の便

助教授として東京から地方大学に赴任した知人が地方では研究が進まないという。澄んだ空気に青い空、渋滞もないだろうというと、それには満足しているらしい。インターネットが普及しているので、図書館にも行かなくて情報が入手できる。都市と地方の距離は縮まっているはずだ。

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インターネットが普及するにつれて、地方に移住しても仕事には何ら困らなくなると考えた人は多い。事実、ビデオ会議システムが整備され、まだ少しぎこちないがちょっとした会議であれば、合わずにすむ。殆どの人がメールアドレスを持ち、文書も図面も送受信が容易になった。

インターネットが普及してもなお、誤解されかねない難しい議論では、メールを避けて電話をする。簡単にすむ内容でない場合には、会いに行く。実はこの会いに行くことこそ、お互いの距離と交通の便が移動時間を決めることになる。移動中は仕事の種類が限定される。例えば、電車で論文を読むことはしても、書くことは殆ど不可能である。

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高速インターネットが普及し、インターネットを使用するソフトウェア環境が発達するにつれて、情報の調査や公開は飛躍的に向上した。また簡単なコミュニケーションがどこにいても機器さえあれば簡便かつ迅速にできるようになった。のこるは、インターネットではできない、対面コミュニケーションである。

会って話す。これまでに他の行為がボトルネックであったが、インターネットで出張の日程調整まで数時間でできる。残るは、会うことなのだ。だからインターネットの普及で取り残された「会って話す」ことがより重要になり、交通の便はますます時間を支配するようになる。

会って話す。音声がとぎれない。相手が興味をもっているのか、退屈しているのか、如実に分かる。会議に集中できる。感性と感性の直接的コミュニケーションはインターネットを介したコミュニケーションでは得難い。
posted by シリウス at 12:26| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | プロジェクトマネージメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月09日

企業向き?研究所向き?

宴会で、私は企業向きであると主張する人がいた。企業にいれば評価される筈であると。既にすっかりと出来上がっていた私は、その真意を聞きそびれたが、仕事のスタイルについてであろう。気になる。

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自分の技術を紹介する機会があった。大メーカーの管理職の方で、私の話を熱心に聞き入り、「こうしたらよい」「こういうアイディアはどうだ」と、多くの提案を戴いた。ありがたい。

私は「早速試してみるが、うまくいったらどのような枠組で実施できますか?」と聞いた。「共同研究」とか「委託」という言葉を予想した。

ところが回答は「自由に実現していいよ」だった。「こういうアイディアトークが好きなんだよ」と。管理職として忙しい時間を割いて、お会い頂いた。終始笑顔だ。

ここ数年で、成果の帰属や権利などについて慎重になっていた。それ自体はサラリーマンとして間違っていない。国プロの役割分担など複雑な立場では、アイディアでさえ自由に話すことはなくなっていた。明らかに私は変化していた。

アイディアは想う、話す、手を動かすことで実現させるものだ。だから次のアイディアが惜しみなく湧いてくる。時と場所をわきまえることは勿論であるが、この精神を忘れていては、少なくとも研究者には見えなくなっていたのであろう。

戴いたアイディアに感謝し、問題を抱えた人がいれば、アイディアで返すこととしたい。
posted by シリウス at 02:33| 東京 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | プロジェクトマネージメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月02日

危機管理

「最大の危機とは何か」という問いに対してある社長曰く「朝来てみると、コールセンターの社員が全員辞めて、電話が鳴り続けていること」。そのため、離職率を低下させるために、社員同士でじゃんけんゲームをさせたり、お互いを表彰したりというお楽しみを導入したそうだ。

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その危機は私にも突然訪れた。実験を任せている人が、網膜剥離で緊急入院した。それだけには終わらなかった。残りの2人で、その実験を再開したかったが、その人無しでは実験をする自信がないとのこと。

原因は明確であった。実験手順は覚えていても、その実験の意義が分かっていないからだ。実験は毎日違う。むしろ、その違いを見定めるのが実験だ。だからルーチンではない。マニュアルがあるとしても、毎日更新されるべきものだ。それ故、一つ一つの装置や動作の意味が理解していないと対応できない。

危機は信頼した所に忍んでいるのだ。
posted by シリウス at 23:42| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | プロジェクトマネージメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月14日

ブラックボックスと危機管理

The fruitfulness of a scientific collaboration is reciprocal to the complexity of the project.
これは、学位取得の際の私のpropositionの一つである。
討論.gif

単にプロジェクトが複雑であるだけならまだよいが、プロジェクトの中にブラックボックスがあると致命的である。ブラックボックスとは、
(1)仕様や特性などがそれ以上追求できない物質
(2)トレーサビリティーのない技術や物質
(3)理解を超えるためなどの理由で関知していない技術や物質
である。

複数の研究機関から構成されるプロジェクトは、役割を分担する。問題を予見するためにも、ブラックボックスが存在するかどうかを知っておくことが重要である。昔、プロジェクトで行き詰まった。素性が分からない物質を使用しているためである。リバースエンジニアリングのような分析からも、同定できない。また、他機関での試験であるため、自分でも完全に理解できなかった。

危機管理の観点からは、役割を分担したとはいえ、自分にとってのブラックボックスがいくつあって、どのような影響を及ぼすかを熟知すべきである。
posted by シリウス at 00:33| 東京 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | プロジェクトマネージメント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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